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月ヶ瀬ツーリング


 京都・奈良・三重の県境付近にある月ヶ瀬へツーリングに行って来ました。本当は梅を見るためだったのですが、おりからの寒波で開花は平年より遅れ気味。ぽつぽつすらも咲いていない状態でしたが、雪の残る渓谷の美しい景色を楽しむことが出来ました。
 前日の夜の2時頃、なぜか目が覚めた。理由はすぐに分かった。胃がおかしく吐き気がする。しかし原因には心当たりがない。暫く横になっていたが、耐えられなくなったのでトイレに行き、そのあと胃腸薬を飲んだ。するとずいぶん楽になり再び眠りにつくことができた。
 朝、目覚めると胃は少し重たいが、大丈夫のようだ。念のため朝食は軽くパン1個だけとし、もう一度胃腸薬を飲んだ。8時15分前、家を出てJR天王寺駅へ向かう。速攻でCannondale Super V Active 1000を輪行袋に詰め、切符と手回り品切符を購入、駅構内を弁当を求めて歩き回る。ホームに降りて一番前まで行き、列車を待った。来た列車の先頭車両には、あらかじめの話通り、田中 芳典 さんが乗っていた。
 今回のツーリングには私のチームメイトのS君とO君。そしてFCYCLOポンポコからは田中 さん、やぐらしか さん、ヤッピー さんのお三方が参加の予定になっていた。
 車窓から見ていると、大阪と奈良の境の山間部には雪がたっぷり残っていたが、天気はよく太陽が照っている。絶好のツーリング日和になるかもしれないと期待が膨らむ。
 奈良駅で関西本線の各停に乗り換える。木津駅に着くと学研都市線から乗り換えのやぐさしかさんが乗ってきた。同じく学研都市線で来るはずだったS君はいない。どうやら仕事が忙しく来れなかったようだ。もう一人のチームメイトO君はどうやら遅刻したらしい。彼の遅刻はいつものことなので気にしないことにする。
 笠置駅までは残雪が目立つものの天気はよかった。しかし笠置駅を列車が出たとたん天気は一転して曇天へと変わった。降りる駅である大河原駅に着いたときには、ちらほらと白いものが降ってきていた。
 駅前で自転車を組み立てようとしていると、駅員さんが私を呼んだ。ヤッピーさんから体調が悪くて参加出来なくなったと電話があったと教えてくれた。しばらくしてもう一度ヤッピーさんから電話があり、今度は直接話をすることができた。確かにこの寒さと雪では身体にさわる。残念だが不参加の方がよいだろう。私も自分の胃がちょっと心配になった。
 現在の人数は3名。最初の予定の半分である。気を取り直して、再び自転車を組み始める。通りがかりの地元の人と思われる人が、川沿いの道が工事中で通れないと教えてくれた。その情報はFCYCLOの15番会議室の方でトミーさんから教えてもらっていたので、覚悟は出来ていた。国道165号から月ヶ瀬口駅の方を回ることにする。
 さて、出発。雪が顔にかかるので冷たい。しかもR165は結構な登りが続く。一汗書いてから下り、月ヶ瀬口駅の下をくぐって南下。「月ヶ瀬梅渓」の標識に従って走る。最初は民家がぽろぽろとあったが、やがてなくなり、道は結構な登りが続く。相変わらず雪は降っている。
 T字の分岐がやがて現れた。左は真っ直ぐ月ヶ瀬へ行き、右は高山ダムを通ってから月ヶ瀬へ向かう道である。高山ダムというのに興味があったのと、川沿いの道が見たかったので右へ進む。下っていくとほどなくダムの上へと出た。結構な高さのダムで、下を見ると勢いよく放水しているのが見える。反対側のダム湖の方は水が少なく、本来なら水の中のはずの岩肌が露出している。どうやら半分以下の水位に減っているようだ。
 ダムのそばの休憩所でしばし休憩。雪も小降りになった。再び出発する。道はダム湖沿いに登っていく。そんなにきつい傾斜ではないが、延々と登っていく。途中で現れた「自動販売機まで100m」の看板にはちょっと笑えた。確かにこの辺りは商店はおろか自動販売機も少ない。朝、たいしたものを食べていないので腹が減ってきた。
 だんだんと標高が上がり湖水が遠くなる。木々の間から見える渓谷とダム湖の風景はなかなかのものだ。南側の日陰になるところには雪がたっぷりと残っている。
 私のSuper V Activeは、登りで体重を前にかけると前サスがペダリングに反応して動き出しパワーロスしてしまう。リアサスが全然反応しないのはありがたいが、前が動いては…。しかしこの前サスのヘッドショックはロックすることが出来るのだ。ロックするとほとんどリジッドと変わりがなくなり、かなり登りは楽になる。ヘッドのつまみに手を伸ばさないといけないので少々面倒だが登りではロックするにこしたことはない。
 さてやっと登り切り、下りに入る。右に左に曲がりくねりながらのダウンヒルだがやはり気持ちいい。いや、だんだん寒くなってきた。しかしそう下りは長く続かず、ほどなく再び湖水のそばに降りた。途中の駐車場にあったトイレで用を足し、再び月ヶ瀬へ向かって走る。途中の出店で焼き餅に惹かれて立ち止まり、焼き草餅と焼き椎茸を食べる。草餅1個100円、焼き椎茸1皿300円だ。この焼き椎茸が大変おいしい。
 月ヶ瀬橋を渡り、月ヶ瀬梅園のそばに着いた。しかし自転車で入れそうな入り口が見つからない。西口駐車場という標識に従い、橋を渡って左手のきつい坂を登っていく。すぐに終わるのかと思いきや、この坂がまた長い。やぐらしかさんを先頭に延々と登る。しかし駐車場らしきものも入り口も見つからない。ひいひい言いながら登るうちに、県道の分岐にまで来てしまった。そこにあった案内図を見て北側から入ることにする。
 県道から分かれて入っていくと、道はだんだん細くなり、それらしい雰囲気になってきた。両側にお店がある。ちょっと自転車では入りづらい雰囲気なので押して歩く。私と田中さんはMTB用のSPDシューズなので問題ないが、ロード用のやぐらしかさんは歩きにくそうだ。
 どう見ても民家の庭をそのまま使っているとしか思えない展望所を見つけ、そこで昼食にすることにした。周りには梅の木がいっぱいだが、どの枝もまだ堅いつぼみだ。それでも高台なので渓谷を見おろす形になり、景色は素晴らしい。向こうに倶留尊山らしき山容も見える。3人がそれぞれ腰を下ろし、持参した弁当を食べる。私はこうして景色のいいところで弁当を食べるのが何よりの楽しみだ。弁当が例え駅弁やコンビニの弁当でもかまわない。美しい景色や仲間との語らいが何よりのおかずになるからだ。心配した胃もどうやら直ったらしい。
 食事のあと、自転車にロックをかけて梅園を歩いて見て回ることにした。どうやら例年では3月上旬がピークらしいが、今年はちょっと遅めらしい。売店のおばさんと客の話を立ち聞きしたところ、今年は3月15日あたりがピークなるようだ。それより2週間以上早い今日では、まだつぼみでも仕方あるまい。せっかく同行していただいた田中さんとやぐらしかさんには申し訳なかったが、その分静かな梅園(?)の雰囲気が楽しめた。
 さて、再びおのおの自転車にまたがり、次の目的地、上野市へと向かう。しばらく登った後、緩い下りが続く。しかし向かい風なので思ったよりスピードが出ない。
 道なりに走っていると予定外に国道25号(名阪国道でない旧道のほう)へ出てしまっているのに気づいた。本当はもう一本北の旧街道を通るつもりだったのだ。どうやら途中にあった道路工事のせいで分岐を見落としたらしい。気づいても後の祭りで、もう上野市街は目の前だ。あきらめてそのまま直進する、しかし風がさらに強くなり、橋の上では横殴りに吹き付けてくれる。疲れることおびただしい。
 上野市街に入ると自動車も増える。近鉄の線路を越えたところで上野公園へ向かうために右折しようと信号を待っていると、向かいの歩道を怪しいサングラスといかついヘルメットをした地元の中学生らしき人物がMTBに乗ってやって来るのが見えた。信号が変わり、渡りながらその人物に近づくと…。なんと!
 私のチームメイトのO君(29才)ではないか!
 やっぱり遅刻して後から追いかけて来たか。しかしなぜ前から来たのか?
 話を聞くと50分遅れの列車で大河原駅に着いたのはいいが、ポンプを忘れ、リアタイヤの空気が入れられなかったらしい。彼のバイクはUブレーキで、タイヤの空気を抜かないとリアホイールがはずれないのだ。再び大河原駅で組み立てたものの、タイヤの空気がないため乗ることができなかった彼は、延々と10キロ以上も自転車を押して歩き、上野市まで来たと言う。しかもド派手なジャージとレーサータイツで輪行してきたと言うから呆れたものだ。
 しかし運が良かったとしか言いようがない。あと1分ずれていれば出会うことはなかったろう。とにかくこれでメンバーは4人になった。さっそく上野公園(伊賀上野城)へ向かう。
 上野公園へ至るという標識に従ったが、その先にあったのは駐車場の入り口だった。料金所があり、自転車は入れる雰囲気ではなかったので別の入り口を探して右へ回る。しかし自転車で入れそうな入り口は見つからない。
 公園の周りを4分の3周ほど回ったところで、遊歩道から自転車を押して入ることにした。延々と押していくと売店に着いた。左手の奥には忍者屋敷がある。とりあえずここで休憩をとることにした。せっかくここまで来たのだから忍者屋敷か天守閣に入ろうということにないり、結局、天守閣に決まった。自転車を押して本丸へ入り、天守閣下にちょうどあった屋根の下に駐輪する。
 天守閣の入場料は400円だった。やぐらしかさんのロード用のシューズが心配されたが、天守閣の中は靴を脱がないと上がれなかったので問題はないことがわかった。さっそく靴を脱いで入る。
 中には上野城にゆかりのある武具などが展示されていた。3層の天守閣で3階が最上階だった。天守閣そのものはたいして高くはないが、本丸自体が高台なので、合わせるとかなりの高さだ。盆地が一望に見渡せる。南側の上野の市街地と北のJR伊賀上野駅方面の田園風景とが対照的だ。しばらくあちらこちらと景色を眺める。
 天守閣を出ると自転車のロックを外し、最後の目的地、伊賀神戸駅へ向けて出発した。中から見てみるとなんてことはない、本丸から一気に外へ出るスロープがちゃんとあるのを見つけた。これを最初に見つけていたら、何もぐるっと回る必要はなかったのに…。
 さて、市街地の中を南へ向かう。車は多いし人も多くて走りにくくて仕方がない。どこへ行っても市街地というものは同じらしい。名阪国道の下をくぐると市街地が終わり、ぐっと走りやすくなる。追い風気味なので軽く回しただけで35キロは出る。だがやはり車は多い。
 しばらく近鉄の線路と並んで走る。両側が田園風景で広々とした景色だ。秋の稲が実ったころに来たらきっと素敵だろう。
 途中で線路が離れ、代わりに川が右に並ぶ。車の多い道路を嫌って、橋を渡って向こう岸へ渡った。こちらの道は車も少なくずっと走りやすい。やがて舗装が悪い道になったので1本左に外し、いかにも「旧家」という雰囲気の集落のそばを走り抜ける。その集落の氏神様らしい神社の前を通りすぎると、広い道に合流した。地図で確認するともう伊賀神戸駅まではそんなにない。
 夕方4時25分、近鉄伊賀神戸駅に着いた。夕陽の中、各自愛車を輪行袋に詰め、上本町行きの区間快速へと乗り込んだ。
 総走行距離55キロメートル。予定より10キロほど長いツーリングであった。

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