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高野山ツーリング


 ケーブルで高野山の山上まで輪行し、雪の残る国道371号線を橋本までオンロードダウンヒルしました。走行距離40kmほどで、短いツーリングでしたが、雪の残る道路や静かな玉川峡など、冬の雰囲気を満喫できました。

 2月11日、日曜日。朝8時に目覚ましが鳴ったが、起きるのが面倒くさかった。チームの仲間が仕事で同行できないので、今日は一人きりのツーリングだ。寝坊してもかまわないので再び眠る。
 スーパーVにまたがって家を出たのは11時半。最寄りの南海天下茶屋駅に乗りつけ、輪行袋に詰める。切符と手回り品切符を買って、ホームで待つことしばし。11時48分の各停に乗り、堺東駅で急行に乗り換える。終点極楽橋駅に着いたのは午後の1時40分頃だった。橋本から先は単線で特に時間がかかる。よくもまあこんな山の中に線路がひけたものだ。
 極楽橋駅でケーブルに乗り換える。そばにいた外国人のカップルが私の輪行袋に気づき、男性の方が表に書かれた文字を覗き込んだ。女性が小声で「It'sa bike ?」と聞き、男性が「Yes」と答えるのが聞こえた。まさか中に原付が入っているとは思わないだろうから、やはり向こうでもバイクと呼ぶのだろう。
 ケーブルは5分で山上の高野山駅に着く。レールのそばには20センチほどの積雪があったが、駅前の道路は濡れているだけで雪はなかった。乾いている場所を探してバイクを組み立てる。たまにチェーンを付けた車が走ってくるのが気に掛かる。
 そばの食堂のおばあさんが、「今日は雪があるよ」と心配してくれた。ほぼ組み立て終わった頃、通りかかったハイカーの女性が話しかけてきた。しばらく山談義に花が咲く。その人が、日陰には積雪が残っているものの凍結はしておらず、橋本までは大丈夫だろうと教えてくれた。
 やがて路肩に雪の残る道路を大門へ向けて走り出す。一つ目のコーナーを曲がると、いきなり真っ白になった。道路一面に雪が残っており、ワダチが付いている。やはり2.1インチのピラニアTCにしておいてよかった。細いタイヤだとトラクションもグリップも苦労しそうだ。
 表面の凍った雪をバリバリいわせながら走る。途中、車が2台ほど雪にめげたのかUターンしていった。こっちは気にせずひたすら走る。
 ほどなく大門に到着。日当たりが良いせいか、大門の屋根の雪はすべて解け落ちていた。雪解け水が滴り落ちる大門の横を通って、金剛峰寺へ向かう。両脇のお寺には、庭にも屋根にも雪がたっぷり残っている。時間が遅いので金剛峰寺も含め、いっさい見学をあきらめ前を通過するだけにした。
 みやげ物屋の店員が雪かきをしている。奥の院一ノ橋に着いた頃、お尻が冷たくなってきた。サドルの下に付けた輪行袋が邪魔で泥除けが付けられなかったため、まともに後輪のはねた雪解け水を浴びているのだ。
 龍神スカイラインの入り口のそばのみやげ物屋で休憩し、ついでにトイレを借りる。これ以上濡れてはかなわないので、ウィンドブレーカーのズボンを履く。ディパックにもザックカバーをかける。輪行袋も濡れているが、中身はビニール袋に包まれているので大丈夫なはずだ。グリップ力を上げるためフロントタイヤの空気圧を2.5気圧まで落とした。これではサスの意味がなくなるが、どうせオンロードなのでグリップ力の方が優先だ。
 国道371号に入り少し登る。登りのピークにトンネルがあり、これをすぎれば下り一方になるのだ。高野山にツーリングに来るのはこれで3度目で、初めが夏、2度目が冬だった。比べてみてば、やはり高野山は冬の方が素晴らしいと思う。しかし今日は前より雪が多そうだ。注意しないと。
 トンネルを抜けるとやはり雪景色だった。これは「雪国」の影響ではなくて、トンネルのこちら側が北側斜面であることを意味している。せっかくなので、ここでバイクを入れた写真を撮る。しかし、はて?
 バイクを立たせる手段がない。暫く考えて思いついた。雪にホイールを突き刺せば良いのだ。試しに路肩の20センチほど積もった所に立ててみると、あっけなく立った。これから雪山で写真を撮るときはこの手を使おう。別の場所でも試してみたら、10センチの積雪があれば立つことが分かった。
 さて、道はだんだん傾斜がきつくなり、ワインディングもひどくなる。乾いたところでは飛ばしたくなるが、すぐにまた雪が出てくるのでそうも行かない。雪のあるところは10センチほど積もり、そこにワダチがあるのでステアリングを取られかねない。一度コーナーで倒しこむと、前輪がすべりだし慌てて立て直した。
 やがて雪をかぶった集落が現れた。あまりにもいい雰囲気なので写真を撮る。玉川峡まではもう少しだ。
 夏には車で渋滞する玉川峡も冬にはガラガラだ。といっても、幅員は狭く軽自動車どうしでもすれ違い不可。おまけにガードレールもなく、雪が積もっているので、あまり景色に見とれてばかりはいられない。しかしやはり何時来ても玉川峡は素晴らしいところだ。水も澄んでいる。
 371号が橋本へ向けて峠を登ろうとする手前の分岐で、渓流にそって分かれる。距離としては遠回りになるが、山越えになる371号より、こちらの道の方が景観が楽しめる。
 渓流沿いの快適な道が延々と続く。大きな集落に着いたところで休憩をとる。ウィンドブレーカーのズボンを脱ぎ、ザックカバーをはずす。もう橋本まで雪はないだろう。
 高野下駅の近くまで来ると自動車が増えてきた。九度山駅そばの分岐で、車を嫌って枝道へ入ると、突然目の前の視野が広がった。紀ノ川によって出来た平野に出たからだった。夕陽の中の景色はなぜか懐かしさを感じさせる。ここでも一枚写真を撮っておく。
 紀ノ川を渡り、国道24号に合流、暫く東へ走ると橋本駅へ着いた。日が暮れるまでまだ間があるので、ゆっくりと雑巾でバイクの泥を拭ってやった。先月購入したばかりのキャノンデールスーパーVに初めて泥をつけたことになる。今度はダートへ連れていって、本当の土をたっぷり味あわせてやろう。

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